橋本努編『現代の経済思想』 勁草書房、2014年10月刊行 目次 幸福、欲望、労働、価値、平等、ケア、所有、市場、慣習、企業組織、資本主義―― 22のキーワードで経済をめぐる普遍的な問題を読み解き、注目すべき最前線の議論を紹介。 不透明な「いま」を生き抜くための、「生と社会」の指針。【帯】 まえがき 橋本努 1 生きるために 1-1 快楽─―快楽が多ければよい人生か 米村幸太郎 (キーワード:福利、個人的価値、幸福度) 1-2 欲望─―なにに/なぜ人間はこれほど駆り立てられるのか 黒石晋 (キーワード:なにか未知なるもの、価値、事後選択) ◆コラム 視野狭窄の効用 1-3 幸福─―幸福度研究は経済学に革命をもたらすか 本郷亮 (キーワード:主観的幸福、幸福度、功利主義) ◆コラム 信頼ホルモン「オキシトシン」 1-4 贈与─―私たちはなぜ贈り合うのか 若森みどり (キーワード:負債、社会関係、循環) ◆コラム 災害復興 1-5 労働─―理想の仕事とはなにか 橋本努 (キーワード:拘り、本来性、ルサンチマン) ◆コラム 地理学的批判理論 2 善い社会のために 2-1 価値─―価値は価格に反映されているのか 藤田菜々子 (キーワード:倫理、バランス、制度) ◆コラム 繁栄の法則 2-2 平等─―なぜ平等は基底的な価値といえるのか 井上彰 (キーワード:範囲性質、非個人的価値、反不平等主義、宇宙的価値) 2-3 ケア─―両立支援は誰のためか 山根純佳 (キーワード:平等と差異、ケアの社会的評価、ワーク・ライフ・バランス) 2-4 所有─―所有は豊かさをもたらすか 沖公祐 (キーワード:占有、請求権、コモン・ストック) 2-5 資本主義─―なぜ安定と危機の交替を繰り返すのか 鍋島直樹 (キーワード:社会的蓄積構造、戦後コーポレート・システム、新自由主義) ◆コラム グローバリゼーションのトリレンマ 3 経済の倫理 3-1 自然─―経済にとって自然とはなにか 桑田学 (キーワード:自然の贈与、労働、依存) ◆コラム なにもしない 3-2 消費─―消費者は環境に責任があるのか 根本志保子 (キーワード:政治的責任、規範、美徳) ◆コラム 脱成長 3-3 交換─―赤ちゃん市場の問題とはなにか 山本理奈 (キーワード:商品化、聖なるもの、貨幣) ◆コラム 例外としての新自由主義 3-4 文化と経済─―市場は芸術の開花を阻害するか 鳥澤円 (キーワード:文化政策、大衆文化、古典的自由主義) ◆コラム ショック・ドクトリン 3-5 芸術の売買─―美術市場に道徳はあるのか 持元江津子 (キーワード:美術市場モラル、一次/二次市場、アートディーラー) ◆コラム コモンウェルス 4 経済の生態 4-1 市場─―市場が社会秩序であるとはどういうことか 瀧川裕貴 (キーワード:経済社会学、埋め込み、収穫逓増) 4-2 慣習─―生活にどう役立つのか 吉野裕介 (キーワード:明確化アプローチ、適応的慣習、慣習への順応) ◆コラム 裏切りの効用 4-3 嗜癖─―アディクションは非合理な行為なのか 太子堂正称 (キーワード:嗜癖と合理性、非自律的選好、信念依存性、プリコミットメント) 4-4 心理─―損得勘定に感情は入っていないのか 松井名津 (キーワード:感情、理性、意思決定) ◆コラム プロスペクト理論 4-5企業組織―─なぜ企業は存在するのか 三上真寛 (キーワード:取引費用、ケイパビリティ、規模) ◆コラム コミットメント契約 4-6 企業家精神─―企業家になるとはどういうことか 吉田昌幸 (キーワード:企業家学習、市場理論、知識の成長理論) ◆コラム ソーシャル・ビジネス 4-7 経済神学─―経済学者の社会的機能とはなにか 佐藤方宣 (キーワード:宗教としての経済学、市場のパラドクス、効率性の福音) 索引 |